いつも、そこにいてくれた。
天国へ行ったおじいちゃんの声がずっと耳の奥で優しく響く。
「ゆうすけ、ゆうすけ」
棺の中でおじいちゃんは眠っているようだった。
信じられないくらい安らかな顔だった。
もしかしたら触るとまだ温かいのかもしれないと思いながら
ずっと見ていた。 ずっと見ていたかった。
「おじいちゃん」と声をかけた。
哀しさと寂しさで涙がボロボロあふれた。
一夜明けた。
いつもの景色がまるで違ってみえる。
おじいちゃんのいなくなった世界だった。
淋しさと感謝の気持ちが胸を埋め尽くした。
最後の最後までいろんな事を教えてくれた。
幼い頃から憧れて、
孫であることを誇りに思い、
どんなヒーローよりもおじいちゃんは強くて優しかった。
形見としてもらった背広におもいっきり鼻を押しつけたら
おじいちゃんの匂いがした。
「ゆうすけ、ゆうすけ」
おじいちゃん、ほんと、すごいよ。
ありがとう。